規律はしっかりと守るべきですわ

ごきげんよう、皆さん。 　本日は、私、ユーメリア・アルマンダインが、 　この日記を担当させて頂きますわ。 　私がこのクラスの委員長を任されていることは、 　皆さん、よくご存知だとは思いますが、 　 　なぜ、私が自ら立候補してまで、委員長という仕事に就こうと 　思ったかというと、皆さんに規律を守ることの大切さを知って頂きたいと 　考えたからですわ。　   　……とは言うものの、このごろの私は悩みが絶えません。 　例え授業中でも、 　何の前触れもなく眠りにおちてしまう担任のディーネ先生に、 　なにかにつけては、騒ぎを起こすチマさんにアリッサさん。 　エストさんはパンを咥えながら登校という、 　女性としての慎みを知らぬようなことを 　繰り返されますし、つい最近、フィルミリアさんが、 　とんでもないお昼の放送を流して  、 　ザビエラ先生のお叱りを受けていましたし。   　それに、次々に来る転入生がどなたも一癖ある人たちばかりで…… 　 　はぁ……本当に皆さん、自分勝手な行動ばかりなされて、 　私、近頃、キリキリと胃が痛むようになってしまいました。 　おかげで、胃腸薬が手放せない毎日ですわ、ふぅ……   　とにかく！　規律を守ること、これを心に留めておいてください。 　特に、時間を守ることの大切さは、 　皆さんに今一度よく考えて頂きたいですわ。 　登校時間、課題の提出、そして、原稿の締め……こほんっ！ 　 　……さて、それでは、そろそろ次の方にお願いさせて頂きましょうか。 　どうやら、他のクラスメイトの皆さんは一通り書き込まれたようですし、　 　定例通り最初に戻り、リュアナさんにお渡ししましょう。 　リュアナさん、よろしくお願いいたしますわ。

カグヤは狼でござる

ふむぅ。 　サーシャどのはいつもカグヤをみると、 　毛を逆立ててうなるのでござる。 　そんなに毛嫌いせずともよいのに、でござる。 　イヌとネコはどうも相性がよくないようでござります。   　はっ！ 　カグヤは“狼”でござりました！ 　カグヤとしたことが、うむむむ……。   　そうそう。ちまたでは“狼”を悪者扱いする 　 　おとぎ話などが多いようでござりますが、 　本当の“狼”はこの世で最も気高い生き物なのでござりますぞ？ 　孤高にして、けして裏切らず、そして強い！ 　『人狼族』であるカグヤもかくありたいと常に思っておるのでござる。   　そしてカグヤは“侍”にござる。 　カグヤの理想とする“真の侍”への道は 　まだまだ遠く険しいでござるが、 　日々是修行と、精一杯がんばっている次第なのでござります。   　え？　修行以外の楽しみでござりますか？ 　それはもちろん修行の後のおいしいごはんに尽きまする！ 　一生懸命修行する！　腹いっぱい食べる！　ぐっすりと眠る！ 　これに勝る人生の幸せがござりましょうか？   　そういえば先日、修行の疲れが溜まっておりましたのか、 　寝すぎてしまいまして…… 　気づけば、腰の辺りにあざのようなものが出来てしまいました。 　これがほんとの『とこずれ狼』でござります！   　はっはっはっ！　愉快でござろう！　ゆーもあでござろう！   　…………はっ！   　ひょっとして、笑うてござるのはカグヤのみでござりますか！？ 　急に居心地が悪うなって参りましたぞ！？   　あっ……あちらに委員長どのが見えるでござる。   　委員長どの～～～！ 　 　この帳面を受け取ってくだされ～～！！

改めて通告にゃ

人気投票でも無難に上位だったサーシャに、 　こんな順番で回ってくるとは…… 　もしやクラスのみんなから嫌われているのだろうか……？   　いや、いやいや、よしんばそうだとしても！ 　ニャーにはエスト様がいればそれでいいのだ。 　ニャーはシノビにしてエスト様第一の従者。 　それだけでなんの不満があろうか！ 　さて、ちょうど良いのでこの場を借りて、皆に言っておくことがあるにゃ。   　ひとつ！　エスト様に勝手に食物を与えないこと！ 　エスト様は出された食べ物は、すべて遠慮なさらずお召しになる。 　もちろんそれは、多分、きっと、おそらく、 　相手の好意に配慮してのことだとは思うのだが…… 　おっぱい以外の部分が膨らんだらどうする！　おっぱい！　ハァハァ 　サーシャはいいのだ。大きなエスト様、小さなサーシャ、 　釣り合いが取れているのだ。   　さらにひとつ！　エスト様に向かって安易な社交辞令禁止！ 　エスト様は誰よりも無垢で純真、 　天衣無縫の天真爛漫であらせられる。 　その場限りの方便など、ご理解なされない。 　一旦食いついたら、その『約束』が果たされるまで、 　決して離そうとしない。 　それがエスト様だ！ 　もちろんエスト様のお望みはサーシャの望み。 　ニャーも全力でサポートするので、そのつもりで。   　最後にひとつ！ 　エスト様の前では、可能な限り平易な言葉を使用すべし！ 　エスト様は何事も、単純明快にあることをお好みだ。 　難しいこと、特にお勉強などという言葉を用いようものなら、 　即座にお眠りになる。 　必要があればサーシャが間に入る。 　くれぐれも、心しておくように。良いなっ！   　――うむ、まだまだ書き足りないが、キリがなくなるからな。 　今日はこのくらいでカンベンしてやる。   　あと、まだ回っていないのは委員長かな？ 　じゃあ次は……   　わっ！？　な、なんだイヌっころ！　どこから現れたっ！

わたしたちはなかよし三姉妹です

じゃ、長女のあたしから書くわよ！ 　あたしはノムよ、グーデンベルク姉妹の全てよ。 　あとのふたりはまぁオマケみたいなもんね。 　あたしは錬金術の天才で――   　もぉ！　オマケなんてひどいじゃない、お姉ちゃん！ 　“全て”は言いすぎでしょ、姉妹の“頭脳”くらいでいいじゃない。 　お姉ちゃんは何でも独り占めしようとするんだから！ 　おかげでわたしがどれだけ苦労してるか…… 　あ。自己紹介が遅くなりました、わたしは次女のニムといいます。 　グーテンベルグ家の次女で――   　ペンとノートを取り返したわよ！ 　あたしがまだ書いてるのに、なんで持ってくのよ！ 　さてさっきの続きだけど――   　ノムお姉ちゃんはすぐにえらそうにするんですけど、 　わたしたちは三つ子だから、ほんとは平等なんで――   　だから！　どうしてあたしが書き終わるのが待てないの！？ 　ニム、あんたいつからそんなに反抗的になったの！？ 　あぇぃふぃヴぉ――   　ふたり、けんかはじめた。 　だから、のーとはわたしがもらう。 　わたしはネム。さんしまいのすえっこ。 　すきなものはじっけん。 　………………。 　………。 　もうとくにかくことない。   　あ、さーしゃがいる。 　さーしゃにわたしちゃおう。

不幸の……日記……

呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪 　呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪 　呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪 　呪呪呪呪呪呪呪呪　　　　　　　　　　呪呪呪呪呪呪呪 　呪呪呪　　　　　    呪　呪呪呪呪呪　呪呪呪呪呪呪呪 　呪呪呪　呪呪呪　呪　呪呪呪呪呪　呪呪呪呪呪呪呪 　呪呪呪　呪呪呪　呪　呪呪呪呪呪　呪呪呪呪呪呪呪 　呪呪呪　呪呪呪　呪　呪呪呪呪呪　呪呪呪呪呪呪呪 　呪呪呪　呪呪呪　呪　　　　　　　　　　呪呪呪呪呪呪呪 　呪呪呪　呪呪呪　呪呪呪　呪呪　呪呪呪呪呪呪呪呪 　呪呪呪　　　　    　呪呪呪　呪呪　呪呪呪呪呪呪呪呪 　呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪    呪呪　呪呪呪呪呪呪呪呪 　呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪    呪呪　呪呪呪呪呪呪呪呪 　呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪    呪呪   呪呪呪呪呪呪呪呪 　呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪　呪呪　呪呪呪呪呪呪　呪呪 　呪呪呪呪呪呪呪呪　呪　呪呪呪呪　呪呪呪　呪呪呪 　呪呪呪呪呪呪呪呪呪　呪呪呪呪呪呪　呪　呪呪呪呪 　呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪 　呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪 　呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪 　呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪　 　 　突然……ですが……これは……不幸の日記……です…… 　これを……見た人は……無条件で…… 　私の……呪いが……かかります…… 　回避……方法は……ありません…… 　あなたが……不幸に……なります……ように…… 　ふふふふふふふふ…………   　おや……いけませんね…… 　私としたことが……ご挨拶もせずに…… 　つい……呪いを……かけて……しまいました……   　はろー……です……みなさん……コトネ・サン……です 　…… とは……言っても……見えない……ですよね…… 　私……幽霊……ですから……ふふふ…… 　さて……今日は……１２月２６日…… 　クリスマスが……終わった後の……一年で……一番…… 　影が……薄い日…… 　まるで……私の……ようです……ふふふふふ…… 　みなさん……昨日は……お楽しみ……でしたか…… 　私は……ひとりで……お楽しみ……でした…… 　周りで……たくさんの……即席……カップルが…… 　誕生しているかと……思うと…… 　恨めしい……妬ましい……という……気持ちが…… 　湧きあがり……ついつい……イケナイ……ところに……手が……   　このうらみ……はらさでおくべきか…… 　来年こそは……私の……呪いで……クリスマスを…… 　中止にして……みせます……ふふふふふふふふふ……   　それでは……名残は惜しい……ですが…… 　そろそろ……次の方に……回しましょうか…… 　私とは……別の……意味で……影の……薄い…… 　ノーム三姉妹の……皆さんに……お願い……しましょう…… 　では……みなさん……ばーろー……です……