ざんねんなおしらせ

コトネからノートをうけとったらのろいにかかった。 　でろでろでろでろでろでろでろでろでーでで。 　まったくあの“ゆうれい”はろくなことをしない。   　のろいをとかせるためにふたりはコトネをさがしにいっている。 　わたしはるすばん。 　たいくつだからのーとでもかこう。   　わたしたちはみつごだから、からだのつくりはよくにているらしい。 　（せいかくはまるでちがうけど） 　だれかひとりがおなかがすいたら、のこりふたりもおなががすく。 　だれかひとりがかぜをひいたら、のこりふたりもかぜをひく。 　のろいもさんにんいっしょにかかった。   　これだけからだのつくりがいっしょなんだったら、 　なかみがいれかわったってもんだいないようなきもする。   　 　……やっぱりいやだ。 　わたしはわたしのからだがいい。 　わたしがいちばんせがたかい。１センチだけ。 　そしてほかのふたりよりもちょっとかわいい。   　あ、わたしは“ノム”。 　のろいがとけないとずっとのろまのまんま。 　ニム、ネム、さっさとコトネをつれてきなさいよ。   　つぎは“ばけねこ”にまわそう。 　それじゃね。

わたしたちはなかよし三姉妹です

じゃ、長女のあたしから書くわよ！ 　あたしはノムよ、グーデンベルク姉妹の全てよ。 　あとのふたりはまぁオマケみたいなもんね。 　あたしは錬金術の天才で――   　もぉ！　オマケなんてひどいじゃない、お姉ちゃん！ 　“全て”は言いすぎでしょ、姉妹の“頭脳”くらいでいいじゃない。 　お姉ちゃんは何でも独り占めしようとするんだから！ 　おかげでわたしがどれだけ苦労してるか…… 　あ。自己紹介が遅くなりました、わたしは次女のニムといいます。 　グーテンベルグ家の次女で――   　ペンとノートを取り返したわよ！ 　あたしがまだ書いてるのに、なんで持ってくのよ！ 　さてさっきの続きだけど――   　ノムお姉ちゃんはすぐにえらそうにするんですけど、 　わたしたちは三つ子だから、ほんとは平等なんで――   　だから！　どうしてあたしが書き終わるのが待てないの！？ 　ニム、あんたいつからそんなに反抗的になったの！？ 　あぇぃふぃヴぉ――   　ふたり、けんかはじめた。 　だから、のーとはわたしがもらう。 　わたしはネム。さんしまいのすえっこ。 　すきなものはじっけん。 　………………。 　………。 　もうとくにかくことない。   　あ、さーしゃがいる。 　さーしゃにわたしちゃおう。