１月３日 １２:００ センシア・リンドルフ

二回目だな。   　これまでの皆の書き込みを拝見した。 　よもやクーデルカまで参加していようとは……。 　書き方ひとつとっても様々で、見ていて非常に興味深い。 　今更、とも思ったが、 　この交換日記とはなかなか有意義なのものかもしれないな。   　しかし年も明け、本格的に気温が下がってきたな。 　寒さが身に染みる。 　実は、というほどでもないのだが、私は火炎魔法の方が得意だ。 　寒さは少々苦手で……特に腹に来ることが多い。 　何か良い対策はないだろうか。   　 　そう言えば以前、我々が通うトリニアス学園浮遊島の 　四季について訊かれたことがある。 　学園島にも他の世界同様、春夏秋冬が存在するのだが、 　何故そんなものが必要なのか。   　トリニアス学園は、各世界の王を育成すべく創設された学園であり、 　学園を含む浮遊島全体を創造したのは『神』だ。 　なれば一年中快適な気候であってもよさそうなものだが、 　それではもとの世界に戻ったときに、 　感覚がズレてしまう可能性がある。   　つまり生ぬるい環境に身を置いていては、 　真に王たる実力は身につかないとの、 　神の試練のひとつなわけだな。   　以上、生徒会長の豆知識だ。 　特に役立つものでは無いかもしれないが……   　次は例に従い、エストレイアへ回すとしようか。

12月17日 15:30 晴れ センシア・リンドルフ

個人間での文通というのは、今でもいくらか続けているが…… 大人数で回す交換日記というのは初めてだな。 何を書くべきか悩むが、これも新鮮で良い、と思う。 リュアナにあったマフラーや、優希の料理もそうだが、 他人のぬくもりを直接感じられるのは、やはり嬉しいものだ。   とりあえず簡単な自己紹介をすると、私の名はセンシア・リンドルフ。 トリニアス学園の生徒会長であり、魔王候補でもある。   趣味は騎竜、つまり飛竜で空を翔ることだ。 ドラゴンはとても頭が良く、慣れてくれば特に指示をせずとも、 思い通りに飛ぶようになる。 あの一体感は何物にも代えがたい。機会があれば是非、 お勧めする。   読書も趣味のひとつだ。 じっと集中して読んでいると、 五感が物語世界に入り込んだような気分になる。 普段経験できないようなことを、現実としてくれるのが醍醐味だな。 特にカーペットの下に潜む男の話が好きなのだが、 このことを語ろうとすると皆嫌な顔をする。何故だろう。   そうだ、もうひとつ疑問に思っていることがあった。 皆陰では、私を指して破廉恥だ破廉恥だと 言っているようなのだが、私は身に覚えが無い。 生徒会長として、皆の模範となるべく 運動にも勉学にも励んでいるつもりなのだが…… 申し訳ないのだが、良ければ教えてもらえないだろうか。   いかんな、まとまりがない上に質問ばかりの内容になってきた。 今回はこのあたりで筆を置かせてもらおうと思う。   次のエストレイアならば、 皆の望むものを見せてくれるのではないだろうか？